ABSTRACT 50(2-2)
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舌癌におけるEpstein-Barrウイルスの関与:島影美鈴1,堀井活子2,覚道健治2,笹川寿之3,白阪琢磨1,西連寺剛41国立大阪病・臨床研, 2大阪歯大・口外2,3金沢大・医・婦,4鳥取大・医・生体情報)

Association of Epstein-Barr virus on tongue cancer: Misuzu SHIMAKAGE1, Katsuko HORII2, Kennji KAKUDO2,Toshiyuki SASAGAWA3, Takuma SHIRASAKA1, Takeshi SAIRENJI4(1Clin.Res.Inst.,Osaka Natl.Hosp.,2Dept.Oral Surg.,Osaka Dent.Univ.,3Dept.Gyn.Obst.,Kanazawa Univ.,4Dept.Biosignal.Tottori Univ.)

[目的] 口腔粘膜上皮細胞で増殖するEpstein-Barrウイルス(EBV)の、免疫異常のない成人の舌癌への関与を明らかにするために実験を行った。
[方法] 舌癌21例、対照として白板症6例と、扁平苔癬7例、正常組織3例について、EBVの発現の有無をEBV BamHIWのmRNA in situ hybridization(ISH)にて検討した。これらの内19例はEBER ISH、20例はEBNA2とBZLF1の蛍光染色、16例はLMP1の蛍光染色も施行した。23例には、BamHIWプライマーによるnested PCRを行った。
[結果] BamHIW mRNAは、舌癌の全例に発現が認められた。白板症では発現がないか、または弱い発現が見られた。扁平苔癬はリンパ球にのみ発現が見られた。正常例は全て陰性であった。EBERは、舌癌13例中7例で癌細胞とリンパ球に、白板症と扁平苔癬でリンパ球のみに発現を認め、正常例は陰性であった。蛍光染色では、癌細胞は、EBNA2 14例中2例、LMP1 13例中2例、BZLF1 14例中1例が陽性であった。PCRでは、その全例にEBVゲノムが検出された。
[結論] 舌癌へのEBVの関与が示唆された。BZLF1陽性例では、ウイルス増殖が推測された。