ABSTRACT 54(2-2)
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変異EBウイルス膜蛋白LMP1のTNF alpha依存性アポトーシスの制御機能:川西美知子(京大、医、微生物)

Effect of mutant EBV LMP1 on apoptosis induced by TNF alpha : Michiko KAWANISHI (Dept. Microbiol., Kyoto Univ.)

ヒト胎児由来小腸上皮細胞(Intestine407)はEBウイルス膜蛋白LMP1の発現によってTNF alpha(TNF)依存性アポトーシスに高感受性となる。その分子機構を解析するために、N末, C末、およびtrancemembrane領域に欠損をもつ各種LMP1発現細胞を作製し検討した。細胞の生存率の測定にはWST-1法を用いた。アポトーシスの解析はアクリジンオレンジ染色、染色体DNA ladderの検出を指標に行った。 変異LMP1の発現はWestern blotおよびRT-PCR法によって解析した。ヒト胎児小腸上皮細胞は野生型LMP1を発現するとサイクロヘキシミド存在下でTNFで誘導されるアポトーシスに高感受性となる。変異LMP1発現細胞を用いた実験結果より、LMP1のC末端のNFkBの活性化に重要な領域CTAR-1およびCTAR-2がその活性を担っていることが明らかとなった。 一方、TNFによるNFkBの活性化にはLMP1発現細胞と親細胞で差異は認められなかった。以上の結果よりIntestine407細胞ではLMP1によるTNF依存性アポトーシスの増強はLMP1のNFkBの活性化領域が重要であること、TNFによるアポトーシスとNFkBの活性化へのシグナル伝達経路は異なることが示唆された。