ABSTRACT 57(2-2)
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HTLV-1 Tax蛋白によるIL-2依存性細胞株CTLL-2のIL-2非依存性細胞増殖:藤井雅寛1,3,岩永洋一2,塚原智則1,神奈木真理1,山本直樹2(東京医歯大・1免疫治療、2微生物、3新潟大・ウイルス)

Human T-cell leukemia virus type 1 Tax protein converts cell growth property of CTLL-2 from IL-2-dependent to IL-2-independent: Masahiro FUJII1, Youichi IWANAGA2, Tomonori TSUKAHARA, Mari KANNAGI1, Naoki YAMAMOTO2 (1 Dep.Immunotherapeut., 2Dep.Bacteriol.Tokyo Med.Dent. Univ., Dep.Virol.Niigata Univ.School Med.)

目的:ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)はヒトT細胞をIL-2依存性ならびにIL-2非依存性にトランスフォームする。今回我々はIL-2非依存性トランスフォメーションにおけるウイルス蛋白Taxの役割について検討した。
結果:CTLL-2細胞株にtax遺伝子を導入し、3種類のTax発現細胞株を樹立した。これら3種類の細胞株は、いずれもIL-2非依存性に増殖し、6カ月間以上IL-2非存在下で継代された。親株のCTLL-2はIL-2を除去することによって、アポトーシスが誘導されたが、アポトーシスはTax発現細胞においては抑制されていた。以上の結果はTaxがIL-2非依存性細胞増殖においても重要な役割を果たしていることを示唆する。この活性に関与するTaxの機能について、Tax変異体を用いて解析した結果についても、あわせて報告する。