ABSTRACT 61(3)
天然カロテノイドであるゼアキサンチンの発がん抑制効果:鶴田淳1, 2, 山口紫野1, 増田光治1, 小野塚真理1, 徳田春邦1, 西野輔翼1(1京都府立医大・生化, 2京都府立医大・2外)
Anti-tumor promoting effect of natural carotenoid, zeaxanthin:
Atsushi TSURUTA1, 2, Shino YAMAGUCHI1, Mitsuharu MASUDA1, Mari ONOZUKA1, Harukuni TOKUDA1, Hoyoku NISHINO1 (1Dept. Biochem., Kyoto Pref. Univ. Med., 2Dept. 2nd Surg., Kyoto Pref. Univ. Med.)
【目的と方法】天然カロテノイドであるゼアキサンチン(ZX,大日本インキ化学工業(株)より供与を受けた)の発がん抑制効果を調べた.In vivo─・7週齢, 雌ICRマウスの背部皮膚にDMBA(7, 12 - dimethylbenz(a) anthracene)100μgを塗布し1週間後よりTPA(12-O- tetra decanoyl phorbol 13-acetate)1μgまたはTPA1μg + ZX 160nmolを週2回塗布し, 20週間続けた.・同系マウス背部皮膚を用いてZXのオルニチン脱炭酸酵素(ODC)活性抑制を検索した.In vitro─・マウス表皮細胞にてZXのODCmRNAの発現抑制を検索した.・ZXのRB gene promotor活性に対する影響を検索した.【結果】腫瘍発生率は対照群64%, ZX投与群43%(p<0.05), 個体当たりの腫瘍数は対照群2.71個, ZX投与群2.14個(p<0.05)であり, ZX投与により有意に減少した.ODC活性はZX投与により対照の80%(p<0.05)に抑制された.RB gene promotor活性はZX(10μM)により有意に増強した.以上よりZXの発がん抑制効果が明らかとなった.現在in vivo にて濃度依存性の有無を検索中である.