一般演題

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大腸癌高危険度指標としての大腸背景粘膜Kiー67 labeling index の評価：明渡郁子¹、石川秀樹¹、井関和成¹、上堂文也²、楢原啓之²、加地　到²、井岡達也^3,、鈴木隆一郎¹、大谷　透²、石黒信吾⁴ （大阪成人セ・¹研10、²３内、^3,集検２、⁴病理）

Evaluation of Ki-67 labeling index of normal-appearing colonic mucosa as the high risk marker for colorectal cancer : Ikuko AKEDO¹, Hideki ISHIKAWA¹, Kazushige ISEKI¹, Noriya UEDO², Hiroyuki NARAHARA², Itaru KAJI², Tatsuya IOKA³, Takaichiro SUZUKI¹, Toru OTANI², Shingo ISHIGURO⁴ (¹Div. Cancer Epidemiol.,Res. Inst., ²Dept. Gastroenterol., ³Dept. Mass Screening, ⁴Dept. Pathol., Osaka Med. Centr. Cancer Cardiovascular Diseases.)

【背景・目的】大腸粘膜のKi-67 標識率（LI）は発癌予防試験における生物学的指標となる可能性が考えられている。今回我々は、大阪大腸癌予防疫学的試験に参加している患者のエントリー時のLIと種々の要因との関係を断面調査し、大腸粘膜のLIが腫瘍発生の高危険度指標となりえるか否かを評価した。
【対象・方法】大阪大腸癌予防疫学的試験は1993年 7月より開始し、1994年 9月にエントリーを終了した。エントリー時の大腸背景粘膜LIが計測されている120例を対象に年齢、性、家族歴、ＢＭＩ、喫煙・飲酒歴、エントリー時の腫瘍数、最大径、最高異型度、発生部位とLIの関係を調べた。LIは、大腸内視鏡検査でＳ状結腸と上行結腸の背景粘膜を１個ずつ生検し、Ki-67ポリクローナル抗体（　rabbit anti-human Ki-67 antigen, DAKO社 ）を用い、ABC法にて免疫組織化学染色を行い、縦断面が得られた腺管を表層から等間隔に３分割し、腺上皮細胞数に対して染色された陽性細胞数を百分率で表しLIとした。
【結果】１．左側結腸に腫瘍の多い症例は、右側結腸に腫瘍の多い症例に比べてLIが高い傾向がみられた。２．LIと年齢、性、家族歴、ＢＭＩ、排便習慣、喫煙、飲酒、エントリー時の腫瘍数、最大径、最高異型度との間には一定の関係を認めなかった。