ABSTRACT 72(3)
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大腸腫瘍摘除後の腫瘍予防に対する食生活介入研究: 徳留信寛1, 永谷照男1, 栗木清典1, 古村敏大1, 横山善文2, 伊藤誠,2, 小川久美子3, 白井智之3, 藤原奈佳子1, 佐藤寿一1, 市川博充1, 今枝奈保美1, 徳留裕子1, 程晶磊1, 奥山治美4 (1名市大医・公衆衛生, 2 名市大医・一内, 3名市大医・一病理, 名市大薬・生物薬品化学)

Dietary intervention in patients polypectomized for adenomas/polyps of the colon: Shinkan TOKUDOME1, Teruo NAGAYA1, Kiyonori KURIKI1, Toshihiro FURUMURA1, Yoshifumi YOKOYAMA2, Makoto ITOH2, Kumiko OGAWA3, Tomoyuki SHIRAI3, Nakako FUJIWARA1, Juichi SATO1, Hiromitsu ICHIKAWA1, Nahomi IMAEDA1, Yuko TOKUDOME1, Jing-Lei CHENG1, Harumi OKUYAMA4 (1 Dept. Public Health, 2 Dept. Internal Med., 3 Dept. Pathology, Nagoya City Univ. Med. School; 4 Faculty Pharmaceutical Sci., Nagoya City Univ.)

目的:大腸腫瘍摘除後の腫瘍発生に対するn-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)の抑制効果を明らかにするために食生活介入を行った。
対象と方法:大腸腫瘍摘除後の患者を無作為に実験群・対照群へ割付け、実験群には総脂肪摂取抑制、n-6系PUFAを多く含む植物油摂取の抑制、n-3系PUFA(魚介類、しそ油、魚油)摂取の勧奨を行った。対照群には総脂肪摂取抑制を介入した。コンプライアンスの評価には、半定量食物摂取頻度調査票による食生活調査、しそ油・魚油摂取状況調査および血漿・赤血球膜・大腸粘膜中脂肪酸構成の分析を行った。生物学的指標には、細胞増殖・細胞周期分析、COX2遺伝子とその発現、PGE2レベルなどの分析を行い、エンドポイントには両群間の大腸腫瘍発生を比較する。
結果:これまで45名(男33名、女12名)(実験群24名、対照群21名)に対して介入を行った。介入後6ヶ月を経過した実験群(14名)・対照群(7名)において、介入前の血漿脂肪酸濃度・構成比(%)には差がなかった。介入後6ヶ月の実験群では、n-6系PUFAは有意に減少、n-3系PUFAは増加、n-6系PUFA/n-3系PUFAは低下していた。また、アラキドン酸(AA)/EPA、AA/DHAも、実験群において明らかに低下していた。なお、対照群においては、そのような傾向は見られなかった。
謝辞:共同研究者の土田研司、吉田めぐみ(名市大医)、渡辺志朗(名市大薬)に感謝する。