ABSTRACT 98(4-3)
 一般演題一覧 トップ 


胸腺腫自然発症 BUF/Mna 系ラットにおける筋萎縮感受性遺伝子 Mus-1 のmapping:肥後匡子、大藪真嗣、柳生茂、叶春霖、松山睦司藤田学園・医・病理、名大・医・大幸医セ、藤田学園・医・総医研)

Chromosomal mapping of muscle atrophy susceptible gene, Mus-1, in BUF/Mna rats of the high-thymoma strain:Kyoko HIGO, Masashi OHYABU, Shigeru YAGYU, Chun-lin YE, Mutsushi Matsuyama(Dept. of Path., Inst. Compreh. Med. Sci., Fujita Univ., Daiko Med. Center, Nagoya Univ.)

【目的】ヒトの胸腺異常と重症筋無力症の併発が知られている。松山らにより樹立された BUF/Mna は、胸腺異常及び筋萎縮を100%に自然発生する近交系ラットである。我々は、前者に関わる遺伝子としてTen-1、Ten-2 及びTsr-1 の、後者のそれとして Mus-1 及び Mus-2 の存在を報告しており、胸腺異常に関する三個の遺伝子については mapping を完了している。今回は、胸腺異常と重症筋無力症の併発機序に迫るべく、筋萎縮感受性遺伝子 Mus-1 及び Mus-2 の mapping を試みた。
【材料・方法】胸腺異常並びに筋萎縮嫌発系ラット ACI/NMs(ACI)を交配相手に選び、124匹のACI×(BUF/Mna×ACI) F1 退交配ラットを作成した。 生後18ヵ月で屠殺解剖し、筋萎縮発症の有無を検索すると共に、それらの genomic DNA の遺伝子型を138個の microsatellite marker について決定し、Mapmaker/EXP 並びに Mapmaker /QTLを用いて筋萎縮発症との連鎖解析並びに Mus-1 遺伝子座の検索を行なった。
【結果】68匹に筋萎縮を認め、genotypeとの連鎖解析の結果、Ten-1 が存在する第1染色体上の marker、D1Rat51 の遠位約6cMの位置に LOD score 3.30 のピークが示され、Mus-1 はこの領域に局在することが明らかとなった。現在、二番目の筋萎縮感受性遺伝子 Mus-2 について検索中である。