ABSTRACT 105(4-3)
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卵巣癌における第6染色体長腕の共通欠失領域330kbの全塩基配列の解析と候補癌抑制遺伝子の単離:松島美恵子, 水口剛雄, 金森康展, 斎藤督, 白浜秀也, 中村祐輔東大・医科研・ヒトゲノム, (株)エスアールエル)

DNA sequencing and analysis of chromosome 6q27 region that is deleted frequently in ovarian cancer: Mieko MATSUSHIMA1, Takeo MINAGUCHI1, Yasunobu KANAMORI1, Susumu SAITO2, Syuya SHIRAHAMA2, Yusuke NAKAMURA1 (1 Hum. Genome Center, Inst. Med. Sci., , Univ. Tokyo, 2SRL Inc.)

卵巣癌において6q27に高頻度にLOHを認めることから,この領域には卵巣癌の発生・進展に関与する癌抑制遺伝子の存在が示唆されている.われわれは候補遺伝子存在領域を約330kbの範囲に限局化してきたが,今回,この330kbの全塩基配列を決定し解析したので,これを報告する.まずゲノムシークエンスをエクソン予測コンピュータプログラムGRAIL2およびGENSCANを用いて解析し,多数のエクソン候補断片を同定した.また,EST (expressed sequence tag) データベースの検索を行い,4個のESTが,この330kbの領域に存在することを確認した.これらの知見にもとづき,ノザンブロット,RT-PCR法により検討し,適当な材料を用いて遺伝子全長の単離を行なった.その結果,330kbの共通欠失領域には既知の白血病関連遺伝子AF-6の他に,5つの遺伝子が存在することが明らかになった. 現在これらの遺伝子について,卵巣癌における異常の有無および遺伝子の機能の解析を進めている.