ABSTRACT 112(4-4)
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IFN-γ, TNF-αによる白血病細胞の分化誘導に対するcyclooxygenase-2 阻害剤の効果:中西祐子、上條竜太郎、竹味利晃、南雲正男(昭和大・歯・2口外)

Effect of cyclooxygenase-2 inhibitor on cell growth and differentiation of U-937 and ML-1 cells induced by IFN-γ and TNF-α: Yuko NAKANISHI, Ryutaro KAMIJO, Toshiaki TAKEMI, Masao NAGUMO (2nd Dept. Oral & Maxillofac. Surg., Sch. of Dent., Showa Univ.)

 白血病細胞は、IFN-γ などの各種サイトカインによりその分化が誘導され、その過程には、prostaglandin (PG) が関与していることが知られている。PGの産生系は、cyclooxygenase(COX)活性により制御されているが、最近COXには2種類のisoform (COX-1、COX-2) が存在し、COX-1の発現が構成的であるのに対し、COX-2の発現は種々のサイトカインにより調節されていることが明らかとなった。そこで今回、COX-2 特異的阻害剤 (NS-398)を用いて、サイトカインによる白血病細胞の分化誘導におけるCOX-2の役割を検討した。なお、白血病細胞の分化はNTB還元能などのマーカーを用いて評価した。その結果、NS-398 により、IFN-γ、TNF-αによるU-937、ML-1細胞の分化誘導が抑制された。また、NS-398 は単独でU-937、ML-1細胞の増殖を阻害した。これらの細胞におけるCOX-1、2 mRNAの発現をRT-PCR法にて解析したところ、COX-2の発現は認められたが、COX-1の発現は極めて微弱あった。以上より、IFN-γ、TNF-α が白血病細胞の分化を誘導する際に、COX-2が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。