ABSTRACT 136(4-6)
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In situ mRNA hybridization 法を用いたヒト胃前癌性病変及び癌における human telomerase RNA の発現 : 日山 亨1,2、横崎 宏1、北台靖彦2、田原栄俊3、春間 賢2、安井 弥1、梶山梧朗2、田原榮一1(1広島大・医・1病理、2広島大・医・1内、 3広島大・医・総合薬)

The expression of human telomerase RNA in human gastric precancerous and cancerous lesions by using in situ mRNA hybridization : Toru HIYAMA1,2, Hiroshi YOKOZAKI1, Yasuhiko KITADAI2, Hidetoshi TAHARA3, Ken HARUMA2, Wataru YASUI1, Goro KAJIYAMA2, Eiichi TAHARA1 (1First Dept. of Pathol, Hiroshima Univ. Sch. Med., .2First Dept. of Int. Med, Hiroshima Univ. Sch. Med. , 3Dept. of Cell. and Mol. Biol., Hiroshima Univ. Sch. Med.)

〔目的〕In situ mRNA hybridization 法を用い、ヒト胃前癌性病変及び癌における細胞レベルでの human telomerase RNA (hTR) の発現を検索した。さらに、胃癌においては telomerase activity 、telomere length、Ki-67免疫活性についても検討した。〔材料及び方法〕Probe は hTR に相補的な 27 mer とし、検索対象は mRNA が保たれていた癌 15 病変、腺腫 5 病変、過形成性ポリープ(HP) 12 病変、完全型腸上皮化生粘膜 (CIM(+)) 32 病変、不完全型腸上皮化生粘膜 (IIM(+)) 44 病変、腸上皮化生を伴わない慢性胃炎粘膜 (IM(-)) 69病変とした。〔結果〕hTR の過剰発現は癌では 15/15 (100%)、腺腫 5/5 (100%)、HP 9/12 (75%)、CIM(+) 15/32 (47%)、IIM(+) 9/44 (21%)、IM(-)では0/69 (0%) にみられた。癌、腺腫では高度過剰発現していたが、腸上皮化生粘膜では軽度過剰発現であった。また、胃癌においては telomere length と telomerase activity が逆相関する傾向が見られた。さらに、高分化型では臨床病期の進行と共に telomere length は短縮していたが、低分化型では臨床病期が進行していても非常に長い telomere length を有するものも認められた。〔結語〕hTRの過剰発現は 腸上皮化生や腺腫等の前癌性病変においても認められることから、胃発癌における early event であること、また、hTR の過剰発現は telomerase activity や telomere length とも関係することが示唆された。