一般演題

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human telomerase RNA (hTR)のpromoter解析：金谷太郎、京　哲、高倉正博、井上正樹（金沢大・産婦）

Transcriptional regulation of human telomorase RNA: Taro KANAYA, Satoru KYO, Masahiro TAKAKURA, Masaki INOUE (Dept. of Obstet. Gynecol. Kanazawa Univ.)　

ヒトのtelomeraseを構成する３つのsubunit, hTR(human telomerase RNA), hTRT(human telomerase reverse transcriptase), TP1(telomerase associated protein 1)のうち、hTRは癌や増殖能の高い正常組織においてup-regulateされていることがin situ hybridizationを用いたこれまでの報告により確認されている。今回我々は、hTR遺伝子の上流約1500bpのpromoter解析を行った。方法として、hTR遺伝子の上流1458bp、および約200bpづつ欠失させたdeletion mutantをluciferase reporter plasmidとして作成し、transient assayにより転写に寄与する領域を検索した。promoter活性は正常細胞に比べ癌細胞でup-regulateされていた。また、deletion mutantを用いた実験により、hTRの上流260bpのenhancer領域を同定した。この領域には、homology検索によりSP1, PSE, beta-INF, NF1, CAATなどのbinding siteが確認された。現在これらの転写因子の結合をDNA binding assayにより確認し、結合部位へmutationを導入することにより各因子の転写調節への関与を検討中である。これらの転写因子の中で癌細胞において発現レベルが上昇しているものを同定することで、癌におけるtelomeraseのup-regulationのメカニズムの一端が明らかにされるものと期待される。