一般演題

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神経分化過程における DNase γ遺伝子発現の解析：田沼靖一^{1, 2}、塩川大介¹（東京理科大・¹薬、²生命研）

Analysis of DNase γgene expression during neurogenesis：Sei-ichi TANUMA^1,2, Daisuke SHIOKAWA¹ (¹Dept. of Biochem., Sci. Univ. of Tokyo, ²Ris. Inst. of biosci., Sci. Univ. of Tokyo)

【目的】我々はアポトーシスにおける DNA 断片化を司るエンドヌクレアーゼとして DNase γを見出しており、昨年の本大会においてヒト及びマウス DNase γcDNA のクローニング及び、アポトーシスにおける DNA 断片化の有無と DNase γ遺伝子発現が相関することを報告した。今回我々は、神経分化過程において見られる細胞死と DNase γ遺伝子発現との関係を検討した。
s【方法及び結果】マウスの各胎生期の脳における DNase γ遺伝子発現をノザンブロット法及び RT-PCR 法で調べたところ、DNase γ遺伝子の発現は胎生12日頃から始まり、16日においてピークを迎え、18日以降減少することが明らかになった。この発現量の変化は既に報告されている細胞死の量的変化と一致している。この現象を in vitro においても検証するために、ジブチリルサイクリック AMP により神経様細胞へ分化することが知られている B50 細胞（ラット神経芽細胞腫）を用い、分化に伴う DNase γ遺伝子の発現変動を調べた。その結果、DNase γ遺伝子は DNA 断片化を伴う細胞死に先行して発現が誘導されることが分かった。以上より、神経分化過程における細胞死には DNase γが関与していることが示唆される。