ABSTRACT 179(4-9)
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抗糖鎖モノクローナル抗体ST421によるアポトーシス誘導の検討:一色聡一郎1, 石塚裕人, 渡邊昌彦, 久保田哲朗, 北島政樹, 成松久2 (1慶大・外,2創価大)

Monoclonal antibody ST421, which recognizes dimeric Lewis a structure, induces apoptosis of Colo 205 in vitro.:Soichiro ISSHIKI1, Hiroto ISHIZUKA, Masahiko WATANABE, Tetsuro KUBOTA, Masaki KITAJIMA, Hisashi NARIMATSU2 (1Dept. of Surgery, Keio Univ., 2Dept. of Cell Biology, Inst. of Life Science, Soka Univ.)

<目的>ST421は消化器癌において高率に発現する癌関連糖鎖抗原dimeric Lewis aを認識するモノクローナル抗体(mouse IgG3)である。われわれは本抗体が抗体単独でも培養細胞株Colo 205に対し殺細胞効果を示し、この効果がアポトーシスの誘導によることを見いだしたので報告する。【方法】培養細胞株Colo 205, SW1116, HT 29, C-1, CA-PAN-2, MKN 45、およびモノクローナル抗体ST421, 7LEを用いた。各抗体の抗原特異性をTLC免疫染色で、各細胞株の抗原発現をフローサイトメトリー及びウェスタンブロッティングで検討した。殺細胞性の定量的検討はMTTアッセイ法で、DNA断片化の検出をアガロースゲル電気泳動で行った。<結果>ST421は抗原を細胞膜上に発現する細胞株Colo 205に対し殺細胞効果を示した。またColo205をST421で処理すると、DNAの断片化がみられた。一方ST421と同様の抗原特異性を示す抗体7LEは、ST421の作用を阻害した。<結論>ST421が抗体単独でアポトーシスを誘導することが明らかとなった。