ABSTRACT 180(4-9)
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ヒト正常子宮内膜と内膜病変におけるCTLを介したアポトーシス:今野 良1,五十嵐司1,宇都宮裕貴1,佐藤信二1,矢嶋 聰1,笹野公伸2 (1東北大・医・産婦,2病理)

Apoptosis mediated by CTLs in human normal endometrium and endometrial lesions: Ryo KONNO1, Tsukasa IGARASHI1, Hiroki UTSUNOMIYA1, Shinji SATO1, Akira YAJIMA1, Hironobu SASANO2 (1Dept.of Ob/Gyn., 2Pathol., Tohoku Univ. Sch. Med.)

【目的】ヒト正常子宮内膜の周期的変化はエストロゲン、プロゲステロンによって規定されており、月経は両者の消退による螺旋動脈のれん縮に伴う虚血性壊死と認識されてきた。しかし、分泌期後期から月経期において増加する内膜顆粒球細胞は細胞障害性T細胞(CTL)やNK細胞であり、これらの細胞内顆粒であるperforin(以下p)やgranzymeB(以下gB)を介したアポトーシスが月経周期や内膜病変の発生に関与していることを明らかにする。【対象と方法】各性周期ごとの正常子宮内膜(N=99:インフォームドコンセント済み)と内膜病変(N=25) におけるp、gB、CPP32の発現を免疫組織化学染色で、アポトーシスをTUNEL法で検出した。【結果】内膜間質におけるp、gB、CPP32陽性細胞およびアポトーシス細胞は分泌期後期以降増加した。pは間質のリンパ球のみに、gB、CPP32陽性細胞およびアポトーシス細胞は間質のリンパ球と内膜腺細胞にも認められた。【結論】分泌期後期に急増するCTL やNK細胞を介したCPP32の活性化が子宮内膜のアポトーシスを誘導することが示唆された。また、この系のアポトーシス阻害が子宮内膜癌の発生に関与することや、アポトーシスを介した内分泌療法の可能性が示唆された。