ABSTRACT 194(5-1)
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t(10;11)(p13;q14)を持つ白血病細胞における融合遺伝子CALM-AF10の解析 : 成田雅美1,2,清水喜美子1,林 泰秀2,滝 智彦2,大西宏明2,別所文雄2,小林泰文3,谷脇雅史4,中村秀男5,朝長万左男5,細田文恵1,大木 操1 (1国立がんセ・研・放射線, 2東大・医・小児,3埼玉がんセ・病・血液,4京都府立医大・三内,5長崎大・医・原内)

Consistent detection of CALM-AF10 chimeric transcripts in acute leukemia with t(10;11)(p13;q14) : Masami NARITA1,2, Kimiko SHIMIZU1, Yasuhide HAYASHI2, Tomohiko TAKI2, Hiroaki OHNISHI2, Fumio BESSHO2, Hirofumi KOBAYASHI3, Masafumi TANIWAKI4, Hideo NAKAMURA5, Masao TOMONAGA5, Fumie HOSODA1, Misao OHKI1 (1Radiobiol. Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept. of Ped., Univ. of Tokyo, 3Third Clinical Dept., Saitama Cancer Ctr. Hosp., 43rd Dept. of Med., Kyoto Pref. Univ. Med., 5Dept. of Lab. Med., Atomic-Bomb Dis.Inst., Nagasaki Univ. )

【目的】 t(10;11)(p13;q14)は、ALLと AMLに共通して報告されている。我々はこの染色体転座をもつ白血病細胞の切断点の遺伝子解析を行った。【方法】t(10;11)を有するAMoL細胞株P31/Fujiokaについて、FISH法やパルスフィールドゲル電気泳動法を用いたサザン解析から、切断点の位置を限定した。更にこの転座を持つALLとAMLの患者検体5例とAMoL細胞株1株のRT-PCRを行い、得られたPCR産物の塩基配列を決定した。【結果】全例からCALM-AF10キメラ mRNAが検出されたが、AF10-CALMキメラ mRNAは7例中2例で認められたのみであった。それぞれ6種類と3種類のキメラ mRNAがみいだされ、切断点の相違やalternative splicingによると考えられた。cDNA上の切断点がU937株で報告された部位と異なるものが3種類あった。【考察】U937で同定された融合遺伝子CALM-AF10が、t(10;11)をもつ他の白血病細胞でも共通して検出され、この融合遺伝子が白血病発症に関与する事が示唆された。