ABSTRACT 198(5-1)
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AF-6遺伝子転写産物の3'側splicing variantと胎盤組織特異的発現:金森康展1,水口剛雄1,松島美恵子1,斎藤 督2,白浜秀也2,中村祐輔11東大・医科研・ヒトゲノム,2(株)エスアールエル)

Splicing variants and placenta-specific expression of AF-6 gene: Yasunobu KANAMORI1, Takeo MINAGUCHI1,Mieko MATSUSHIMA1, Susumu SAITO2, Shuya SHIRAHAMA2, Yusuke NAKAMURA1 (1Human Genome Center, Inst. of Med. Sch., Univ. Tokyo, 2SRL Inc.) 

卵巣癌で高頻度にLOHがみられる6q27の共通欠失領域にはAF-6遺伝子が存在する.AF-6はt(6;11)(q27;q23)の相互転座を認める急性白血病でALL-1遺伝子とキメラを形成する遺伝子として単離されたが,AF-6蛋白の生理的機能はいまだ明らかではない.これまでに1612アミノ酸のタンパクをコードする転写産物(Type I)が報告されていたが,今回,cDNAライブラリースクリーニングにより3'側のsplicing variants2種類(Type II,III)を同定した.Type IIは1817アミノ酸,Type IIIは1744アミノ酸のタンパクをコードしていると考えられた.これら3種類の転写産物はRas binding domainとPDZ domainの配列を共有するが,Type IとType IIでは,ヒトAF-6のラットホモログであるl-Afadin遺伝子転写産物の3'側に存在するF-actin-binding domain配列を欠いていた.このdomainの有無は細胞接着に関与する機能に重要とされ,上記配列を有するType IIIがAF-6遺伝子の主な機能的転写産物である可能性が推察された.また,ゲノムシークエンスの情報に基づきコンピューターによるエクソン予測,RT-PCRを行い,上記以外に胎盤組織で特異的に発現する数種類の3'側splicing variantsも同定した.以上の転写産物の構造について報告する.