ABSTRACT 202(5-1)
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相同組換え因子Rad54 の構造的多様性:
高橋護1、大成亮次2、宮川清2、神谷研二1(広島大・原医研・1分子生体制御、2分子病理)

Structural variations of recombinational repair protein Rad54 : Mamoru TAKAHASHI1, Ryoji ONARI2, Kiyoshi MIYAGAWA2, Kenji KAMIYA1 (1Dept. of Develop. Biol. Oncol.,2Dept. of Mol. Pathol., Res. Inst. Radiat. Biol. Med., Hiroshima Univ.)

Rad54は相同組換え修復をつかさどるRad52 epistasis groupに属し、そのノックアウトマウスの表現型は放射線感受性の亢進、および相同組換え頻度の低下で特徴づけられる。しかし、睾丸のノーザン解析では、報告されている2.6kbのmRNA以外に様々なサイズのmRNAが存在することがわかっている。従ってRad54のin vivoにおける機能を解析するには、報告されている1種類のRad54のみの解析では不十分である。そのため、睾丸cDNAライブラリーを使用してその他のサイズのmRNAのクローニングを試みた。その結果、3.5kb,4.2kb,4.5kbの3種類のcDNAがクローニングされ、いずれも既知の2.6kbのRad54 cDNAには存在しない未知のエクソンを有することが確認され、その遺伝子産物は既知のRad54とは部分的に異なることがわかった。これらのisoformはヒトの睾丸およびリンパ球で発現しており、既知の2.6kbのmRNAより発現レベルが高かったため、これらのisoformが相同組換え修復にはより重要である可能性が示唆された。