一般演題

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ＤＮＡ相同組換え関連遺伝子Rad51ファミリーの新規メンバーRad51Ｂのシスプラチン感受性における役割：高田　穣、立入誠司、岩井裕子、武田俊一（京大・医・分子免疫学（バイエル））

Markedly elevated cisplatin sensitivity of mutant vertebrate cells which lack Rad51B, a new member of Rad51-related gene family: Minoru TAKATA, Seiji TACHIIRI, Yuko IWAI, Shunichi TAKEDA (Dept. of Mol. Immunol. and Allergy, Kyoto Univ. Grad. Sch. Med.)

出芽酵母でＤＮＡ相同組換え修復に関わるRad52エピスタシス遺伝子群は、マウスやヒトにおいても非常によく保存されたホモログが存在する。なかでもRad51は、相同組換え修復において中心的役割を果たすと考えられ、癌抑制 遺伝子p53やBRCA1/2と会合することなどからゲノム安定性への関与が示唆されている。一方、最近�Thompsonらは、DNAクロスリンク剤に非常に高感受性の変異細胞株における原因遺伝子Xrcc2・Xrcc3を同定し、これらがRad51と有意のホモロジーを持つことを明らかにした(Liu N et al, Mol Cell in press)。さらに、ESTデータベース検索により同定されたものなどを含め、ヒト・マウスにおいてRad51以外に６種類のRad51類似遺伝子の存在が確認されている。我々は機能不明のRad51類似遺伝子群の一つRad51Ｂを、ニワトリB細胞株DT40において遺伝子破壊し、Rad51Ｂ欠損細胞株を樹立した。この欠損株は、野生株に比べてシスプラチンに非常に高感受性であるが、ガンマ線にはより軽度の感受性を示すのみであった。Rad51ＢはシスプラチンによるＤＮＡクロスリンクの修復に重要と考えられ、シスプラチン感受性の決定要因の一つである可能性がある。
共同研究者：J.Albala, L.Thompson (LLNL),R.Kanaar (Erasmus U)。