ABSTRACT 218(5-3)
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ヒト食道癌細胞にみられたmicrosatellite instabilityを示さないミスマッチ修復欠損株:内田信裕, 組本博司, 西沢きみ子. 石崎寛治(愛知がんセ・研・放)

Human esophageal cancer cells which show deficiency of mismatch repair without microsatellite instability : Nobuhiro UCHIDA, Hiroshi KUMIMOTO, Kimiko NISHIZAWA, Kanji ISHIZAKI (Lab. of Exp. Radiol., Aichi Cancer Center Research Institute)

ヒトゲノムにおいてmicrosatellite領域の塩基配列に変異が見られた場合、ミスマッチ修復が正常に働いていないと考えられておりmicrosatellite instability (MI) と呼ばれている。今回、22株のヒト食道癌細胞を調べたところ、全ての株においてMIは認められなかった。しかし、Kunkelらによって開発された方法でミスマッチ修復活性を測定した結果、22株のうち4株においてミスマッチ修復活性の低下が認められた。このような「ミスマッチ修復を欠損していながらMIが認められない」癌細胞の存在から、ミスマッチ修復欠損とMIは必ずしも1対1に対応していないことが示唆される。G-Tミスマッチを1つだけもつoligo nucleotideを用いたゲルシフトアッセイを行ったところ、この4株の食道癌細胞のうち3株についてG-Tミスマッチ結合能が低下していることが示された。現在、シークエンスとウエスタンハイブリダイゼーションによってhMSH2、hMSH3、hMSH6、hMLH1、hPMS2遺伝子の塩基配列およびこれらの5つのタンパク質の変異を解析している。