ABSTRACT 224(5-3)
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ヒト腎癌において高頻度欠失を示す3p21領域の候補癌抑制遺伝子の単離・解析:折笠一彦1,2,福重真一1,折笠精一2,堀井明1(東北大・医・1分子病理,2泌)

Isolation and characterization of a candidate tumor suppressor gene in frequently deleted region on chromosome band 3p21 in human renal cell carcinoma: Kazuhiko ORIKASA1,2, Shinichi Fukushige1, Seiichi ORIKASA2, Akira HORII1 (Depts. 1Mol. Pathol., 2Urol., Tohoku Univ. Sch. Med.)

ヒト腎癌において,染色体3p上に存在すると予想されている癌抑制遺伝子を同定するため,散発性腎癌84症例を用い,マイクロサテライトマーカー,およびサザン法により染色体欠失領域を検索し,さらにFISHを行った結果,3p21に高頻度の欠失を検出し,さらにこの欠失領域を約700kbに限局したことを昨年の本学会において報告した。今回は,さらにこの領域に局在する遺伝子を検索したところ,あるESTに対応するcDNAを単離した。その遺伝子の一次構造を決定したところ,220アミノ酸がコードされていたが,これは機能的には未知の遺伝子であった。また,ノーザンブロット解析により,腎臓を初め多くの組織で約3.5kbのmRNAが発現していることが確認された。散発性腎癌および腎癌細胞株において,この遺伝子の蛋白コーディング領域の異常の解析,ならびに癌における発現の変化等を検討したので報告する。