ABSTRACT 228(5-3)
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悪性横紋筋肉腫様腫瘍に検出する高頻度22番染色体長腕ホモ欠失領域の解析:森俊樹1,2,坂部智哉,四ノ宮隆,有山洋二,福田陽司,松村隆文3,杉本徹4,黒田啓史4,太田茂5,中村祐輔,稲澤譲治 (東大医科研ヒトゲノムセ・シークエンス技術開発、京都府立医大・脳外・3小児,4宮崎医大・小児,5滋賀医大・小児)

Analysis of the frequent homozygous deleted region on the long arm of chromosome 22 in malignant rhabdoid tumors. : Toshiki MORI1,2, Tomoya SAKABE1, Takashi SHINOMIYA1, Yoji ARIYAMA1, Yohji FUKUDA1, Takafumi MATSUMURA3, Tohru SUGIMOTO4, Keishi KURODA4, Shigeru OHTA5, Yusuke NAKAMURA1, Johji INAZAWA1 ( 1Human Genome Center, Inst. of Med. Sci., Univ. Tokyo, Depts. of 2Neuro. Surg, 3Pediatr., Kyoto, Pref. Univ. of Med, 4Dept. of Pediatr., Miyazaki Med. College, 5Dept. of Pediatr., Shiga Univ. of Med. Sci.)

【目的】悪性横紋筋肉腫様腫瘍 (malignant rhabdoid tumor: MRT) は第22番染色体長腕異常を比較的高頻度に認め、22q11-12のホモ欠失が報告されている。この領域にはMRTの発生や進展に関わる癌抑制遺伝子の存在が強く疑われている。今回われわれは、MRT細胞株に対して22番共通ホモ欠失領域の詳細な解析を行った。【対象】病理組織学的に MRT と診断された腫瘍から樹立された6種の細胞株と未分化間葉系由来(確定診断は未)の1種の細胞株を用いた。【方法と結果】7種の細胞株より抽出したDNAを用い、22q11-13のSTSマーカーを用いてPCRおよび サザン法によりそれぞれのホモ欠失地図を作製した。その結果22q11.2の約300kbに共通ホモ欠失領域を限定した。この領域をカバーする3種のYACクローンを基盤にコスミドコンティグを作成した後、ショットガンシークエンスにより塩基配列を決定した。コンピュータープログラムによるエクソンの予測とその発現の有無を検討し、現在この領域内のMRTの癌抑制候補遺伝子を探索している。