ABSTRACT 244(5-5)
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Wnt/Winglessシグナル伝達経路におけるAxinの機能解析:中村勉12,濱田文彦2,3,石館宇夫1,2,穴井憲一1,河原康一2,豊島久真男4,秋山徹1,21東大・分生研・分子情報,2阪大・微研・発癌制御,3新技団・さきがけ研究21・遺伝と変化,4大阪成人セ)

Functional analysis of Axin, an inhibitor of the Wnt/Wingless signaling pathway:Tsutomu NAKAMURA1,2, Fumihiko HAMADA2,3, Takao ISHIDATE1,2, Ken-ichi ANAI1, Ko-ichi KAWAHARA2, Kumao TOYOSHIMA4, Tetsu AKIYAMA1,2 (1Dpt.Mol. Genet. Info., Inst. Mol. Cell. Biosci., Univ. Tokyo, 2Dpt. Oncogene Res., Inst. Microbial Dis., Osaka Univ., 3CREST, 4Ctr. Adult Dis.)

Wnt/Winglessシグナル伝達経路は胚発生や細胞癌化に重要な役割を果たしている。われわれは、この経路のネガティブエフェクタ―であるAxinがβ-cateninやGlycogen synthase kinase-3β (GSK-3β) と複合体を形成すること、およびRGS (regulator of G protein signaling) ドメインで大腸癌抑制遺伝子産物APCと結合することを見出した。さらに、AxinをSW480に過剰発現させるとβ-cateninのレベルが著しく減少するが、β-catenin結合領域あるいはGSK-3β結合領域を欠失させたAxinはその活性を失った。したがってAxinはβ-catenin、GSK-3βおよびAPCと複合体を形成することによって細胞内のβ-cateninレベルを制御し、Wnt/Winglessシグナル伝達経路を抑制することが示唆された。