ABSTRACT 268(5-7)
Arbitrarily primed PCR (AP-PCR) 法で検出したヒト神経膠芽腫培養細胞の増幅 DNA 断片の解析:
朽木 秀雄1,2, 安田 純1, 川上 圭太1,2, 嘉山 孝正2, 村上 善則1, 関谷 剛男1(1国立がんセ・研・腫瘍遺伝子, 2山形大・医・脳外)
Analysis of an amplified DNA fragment in a glioblastoma cell line detected by arbitrarily primed polymerase chain reaction (AP-PCR) : Hideo KUCHIKI1,2, Jun YASUDA1, Keita KAWAKAMI1,2, Takamasa KAYAMA2, Yoshinori MURAKAMI1 & Takao SEKIYA1(1Oncogene Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., 2Dept of Neurosurg, Yamagata Univ. School of Med.)
[目的]ヒト神経膠腫に蓄積した DNA 異常を網羅的に把握する。[方法と結果]目的達成の手段として AP-PCR 法を使用した。ヒト神経膠腫細胞 9 株の DNA を鋳型にに増幅された約 20 個の DNA 断片を胎盤 DNA 由来の断片と比較した。この結果、1 個の細胞株 で、シグナル増強を示す既知の遺伝子塩基配列とは相同性を持たない約 380 塩基対の断片を検出し、サザンブロット解析で約 50 倍の増幅を確認した。放射線照射雑種細胞パネル解析による由来染色体の同定ならびに近傍の DNA マーカーの解析の結果、この DNA 断片は第 6 染色体短腕上の増幅領域約 2 センチモルガン以内の部位に局在することを明らかにした。[考察]6p 21 領域に、ヒト神経膠芽腫に関与するがん遺伝子の存在が示唆された。