ABSTRACT 271(5-7)
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悪性線維性組織球腫 (MFH) に検出した8p23.1 増幅領域の amplicon map 作製と増幅内遺伝子の単離:坂部智哉1,2, 森俊樹, 四ノ宮隆, 有山洋二, 福田陽司, 藤原力3, 楠崎克之, 平澤泰介, 中村祐輔, 稲澤譲治 (東大医科研・ヒトゲノム解析セ, 京都府立医大・整形, 3大塚製薬・大塚GEN研)

Construction of the amplicon map and isolation of a novel gene from the amplified region at 8p23.1 in malignant fibrous histiocytoma (MFH) : Tomoya SAKABE1,2, Toshiki MORI1, Takashi SHINOMIYA1, Yoji ARIYAMA1, Yohji FUKUDA1, Tsutomu FUJIWARA3, Katsuyuki KUSUZAKI2, Yasusuke HIRASAWA2, Yusuke NAKAMURA1, Johji INAZAWA1 ( 1Human Genome Center, Inst. of Med. Sci., Univ. Tokyo, 2Dept. Orthop. Surg., Kyoto, Pref. Univ. of Med.,3Otsuka GEN Res.Inst.,Otsuka Pharm. Co.,Ltd.)

【目的と方法】悪性線維性組織球腫 (MFH) は発生頻度の高い悪性軟部腫瘍であるが,病型特異的な染色体・遺伝子異常は知られていない.このことから CGH 法により染色体コピー数異常を検索し,さらに,新規に見出した増幅領域より癌関連遺伝子の単離を目指した.【結果と考察】既知の癌関連遺伝子座に加え,4q12-13 や 5p15.3-pter などの染色体領域にコピー数の増加を比較的高頻度に検出した.さらに,8p23 に強い遺伝子増幅を検出したため,同領域の amplicon map を作製するとともに,8p に mapping された EST から増幅内遺伝子を同定し,その全長を単離した.本遺伝子はアミノ酸構造上,leucine zipper ならびに leucine-rich tandem repeat を持っていた.さらに,6.6kb の mRNA を各臓器で普遍的に発現しているものの,MFH での発現は亢進し,特に遺伝子増幅症例では強発現を認めた.【結論】今回同定した MFH 8p23.1 増幅内遺伝子は,そのゲノムコピー数の増幅症例において強発現しており,MFH の発生や進展に関わる可能性が示された.