ABSTRACT 274(5-7)
17q12アンプリコン間の連結部DNAの同定 :桑原勝孝1、佐々木博己1、根津雅彦1、上田哲也1、 山田行重1、坂本裕美1、名出頼男2、杉村隆1、寺田雅昭1 (1国立がんセ研・分子腫瘍、2藤田保健衛生大・泌)
Idebtification joint DNAs among 17q12 amplification unitsYoshitaka KUWAHARA1, Hiroki SASAKI1, Masahiko NEZU1, Tetsuya UEDA 1,Yukishige YAMADA 1, Hiromi SAKAMOTO1,Yorio NAIDE 2, Takashi SUGIMURA1, and Masaaki TERADA1 (1Genetics Div., Natl. Cancer Center Research Institute,2Dept.Urol.Fujita Health Uiv.)
がん細胞の1つの特徴は遺伝子の不安定性であり、がんでは頻々と遺伝子増幅がおきる。我々はc-ERBB2を含む17q12領域のアンプリコン上の遺伝子の同定、構造解析を行ってきた。その結果、c-ERBB2を含む500kbのYAC DNAから4つの遺伝子、A39,GRB7,C51,CAB1を同定した。このアンプリコンのコア領域の決定とアンプリコン間の連結部 DNAの同定のため、YAC DNAをサブクローニングし、高密度な物理的地図 を作成、これらの遺伝子とそのセントロメア、テロメア側に存在するTHRA1とV-6の遺伝子増幅を胃がんの手術材料(90例)、胃がん(9株)、乳がん(8株)、卵巣がん(2株)、食道がん(13株)の培養細胞において検討した。c-ERBB2の遺伝子増幅は14のサンプルにおいて認められた。GRB7,A39 はそれぞれ12/14例 (86%),13/14例 (93%)にc-ERBB2との共増幅が認められた。しかし、THRA1とV-6は5/14 例(36%) ,2/14例 (14%)と遺伝子増幅の頻度は低かった。また、3例のアンプリコン間の連結部と考えられるDNA断片を解析し、その内1例にGRB7の欠失を認めた。また3例ともごく限られた領域でDNA再構成をおこしていた。