ABSTRACT 301(5-10)
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p53遺伝子の遺伝的多型と肝発癌感受性:白木 孝1,竹下達也2,森本兼曩2,佐藤茂秋11神戸大・医・衛生,2阪大・医・環境医学)

Polymorphism of p53 Gene and Susceptibility to Hepatocarcinogenesis : Takashi SHIRAKI1, Tatsuya TAKESHITA2, Kanehisa MORIMOTO2, Shigeaki SATO1 (1Dept. of Hygiene, Kobe Univ. Sch. Med., 2Dept. of Hygiene and Preventive Medicine, Osaka Univ. Sch. Med.)

[目的]癌抑制遺伝子p53のイントロンやエキソンには遺伝的多型が存在する。これらの多型と肝発癌感受性との関連について調べた。
[方法]年齢と性をマッチさせた肝癌患者及び健常者68例ずつの末梢血白血球のDNAを対象とし、p53遺伝子のイントロン2、3、6、7及びエキソン4の遺伝的多型をPCR-SSCPにより解析した。
[結果]イントロン2及びエキソン4において、変異型を示すものが肝癌群で有意に多かった。また有意ではないがイントロン7においても同様であった。さらに我々が新たに見出したイントロン3の遺伝的多型についても同じ傾向が見られた。イントロン3の16塩基の繰り返し配列やイントロン6の多型については、変異型の頻度そのものが非常に小さく差は見られなかった。
[考察]p53の遺伝的多型の一部が、肝発癌感受性に関与している可能性が示された。現段階ではその生物学的意味は不明であるが、発癌感受性の指標の一つとして注目される。