ABSTRACT 304(5-10)
変異p53遺伝子導入細胞の放射線感受性と Yeast functional assay 法による判定:岡市協生1、佐々木治一郎2、多田光宏3、奥村寛1(1長崎大・医・原研放射、2熊本大・医・腫瘍医学、3北大・医・脳外)
Sensitivity to ionizing radiation in mutant p53 transformants and yeast functional assay: Kumio OKAICHI1, Ji-ichiro SASAKI2, Mituhiro TADA3, Yutaka OKUMURA1 (1Dept. of Radiat. Biophys., Atomic Bomb Desease Institute, Nagasaki Univ., 2Dept. Tumor Gent. Biol., Kumamoto Univ., 3Dept. Neurosurg., Hokkaido Univ.)
[目的] 癌細胞のp53に変異が有ると放射線に耐性になり予後が悪い症例が報告されている。しかし、p53の変異部位と放射線耐性との関係は、まだ明らかになっていない。そこで、変異p53遺伝子を作成し細胞に導入し、放射線感受性を測定した。さらに、作成した変異p53遺伝子を Yeast functional assay 法を用いて判定し、判定結果と放射線感受性との関連を調べた。[結果] p53遺伝子の変異部位により、放射線に耐性になる場合と、放射線に感受性になる場合があった。これらの変異p53遺伝子を Yeast functional assay 法を用いて判定したところ、放射線に耐性になった変異p53遺伝子は機能的変異陽性を示し、放射線に感受性になった変異p53遺伝子では機能的変異陰性を示した。[考察] Yeast functional assay 法で判定すると、すべてのp53の変異で陽性になるわけではないが、陰性になったp53の変異は細胞の放射線感受性を耐性にしないような変異であると考えられる。