一般演題

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新しく同定されたヒトp53関連癌抑制遺伝子p51産物とマウス赤白血病細胞温度感受性p53(Val135)の相乗的作用：加藤　伊陽子^１,相崎　健一^１,井川　俊太郎^２,井川　洋二^１（^１東京医歯大・医研・感染分子制御,^２東北大・加齢研・分子発生）

Synergistic actions of the newly identified human tumor suppressor gene p51 product and temperature sensitive p53 of mouse erythroleukemic cells: Iyoko KATOH¹, Ken-ichi AISAKI¹, Shuntaro IKAWA², Yoji IKAWA¹ (¹Dept. of Retroviral Regulation, Medical Res. Div., Tokyo Med. and Dent. Univ., ²Dept.of Cell Biology, Inst. of Development, aging and Cancer, Tohoku Univ.)

〔目的〕p53癌抑制遺伝子ファミリーに属する新規遺伝子p51が同定されたので、p51遺伝子産物の生物活性とp53タンパク質の活性の関連を検討するために実験を行なった。
〔方法〕Friend spleen focus forming virus gp55遺伝子のトランスジェニックマウスから分離され、温度感受性(ts)-p53を発現していることが知られている赤白血病細胞株1-2-3にp51発現ベクターを導入した。G418耐性細胞を選択し、37℃および32℃で培養して、p51が細胞増殖や分化に及ぼす影響を調べた。タンパク質産生をウエスタンブロットにより、アポトーシス誘導は各種染色法による形態観察やFACS分析、DNA断片化の検出により、またヘモグロビン産生はDAF染色により判定した。
〔結果〕ts-p53が細胞質に局在して機能しない37℃で、p51発現細胞では増殖阻害、緩慢なアポトーシス誘導、ヘモグロビン産生、ヒトp21waf1に対応するCAP20タンパク質産生誘導が検出された。ts-p53が核内に移行する32℃に温度シフトすると、親細胞の一部に見られるアポトーシスがp51発現細胞では著しく促進されるとともに赤白血病細胞の分化に特徴的な形態的変化が誘導された。p51とｔｓ-p53の機能上の比較や分子間相互作用について検討している。