ABSTRACT 323(5-11)
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VHL癌抑制遺伝子産物は atypical Protein kinase C lambda (PKCλ) と結合する : 奥田平和,鎌田雅行,高木康之,執印太郎,平井秀一,大野茂男高知医大・泌, 横浜市大・医・2生化)

Analysis of the interaction between VHL tumor suppressor gene product and PKCλ : Heiwa OKUDA1, Masayuki KAMATA1, Yasuyuki TAKAGI1, Taro SHUIN1, Syu-ichi HIRAI2, Shigeo OHNO2 (1Dept. of Urology, Kochi Medical School, 2Dept. of Molecular Biology, Yokohama City Univ. School of Medicine)

(目的) von Hippel-Lindau (VHL) 病は腎細胞癌、褐色細胞腫、血管芽腫等を発症する常染色体優性の遺伝性疾患であり、その原因遺伝子として同定されたVHL癌抑制遺伝子は散発性腎癌においても高頻度で変異を示すことが知られているが、その遺伝子産物であるVHL蛋白の細胞内における機能の詳細は未解明である。近年、VHL蛋白と結合する蛋白としてElonginが同定され、VHL蛋白が転写調節に関与していることが示唆されたが、このほかにもVHL蛋白は複数種の蛋白と結合することが知られている。今回、われわれはprotein kinase C の一分子種であるPKCλがVHL蛋白と結合することを新たに見い出したので報告する。
(方法と結果) 293T細胞を用いて wild type PKC λ および T7 tag を付加した wild type VHL を共発現させ、抗T7抗体を用いて免疫沈降をおこなった後、PKCλに特異的な抗体を用いた解析をおこなったところ、VHL蛋白とPKCλとの結合が確認された。PKCλはcystein-rich配列を含むC1領域とpseudosubstrate配列からなるregulatoryドメイン(RD)、およびリン酸化にかかわるkinaseドメイン(KD)の両ドメインからなる構造をもつ。そこで各ドメインをVHLと共発現させ免疫沈降をおこなったところ、VHL蛋白のPKCλRDへの弱い結合が認められた。現在、VHL側の結合領域ならびにPKCλの機能に及ぼす影響について検討中である。