ABSTRACT 329(5-12)
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ヒト肺がんにおいて高度にメチル化されたCpGアイランドの網羅的単離:白石昌彦、Ying H. Chuu、関谷剛男(国立がんセ・研・腫瘍遺伝子)

The comprehensive isolation of CpG islands hypermethylated in human lung cancer: Masahiko SHIRAISHI, Ying H. CHUU, Takao SEKIYA (Oncogene Div., Natl. Cancer Ctr. Res. Inst.)

CpGアイランドのメチル化と遺伝子の不活性化が関連していることが知られている。我々はヒト肺がんにおいて高度にメチル化されたCpGアイランドを網羅的に単離するための実験を行った。ヒト肺がん由来の高分子DNAを制限酵素Tsp509Iで切断した後、高度にメチル化されたDNAと高い親和性を持つMBDカラムによるクロマトグラフィーを行った。塩濃度勾配をかけてDNAを溶出し、高塩濃度分画に含まれる高度にメチル化されたDNAをラムダベクターを用いてクローン化した。クローン化DNAをCpGアイランド単離法SPMで解析し、これまでにCpGアイランド由来と考えられる約10個のDNA断片を得た。サザン法等で同一患者のがん部、非がん部DNAにおけるメチル化の変化を検討した結果、多くのものでがん特異的なメチル化が見出された。これらの結果はMBDカラムクロマトグラフィーとSPM法の組み合わせが、がんにおいて高度にメチル化されたCpGアイランドを網羅的に単離するための有効な方法であることを示している。