ABSTRACT 330(5-12)
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RLGS-M法を用いたマウス肝癌のゲノム規模的解析による、肝癌発症にかかわると考えられる遺伝子の単離:小松 誠,岡崎康司,舘野美成子,河合 純,林崎良英(理化学研究所 ゲノム科学研究室)

A genome-wide search for methylation status of mouse hepatoma and identification of a gene that can be closely related to the tumorigenesis: Sei Komatsu, Yasushi Okazaki, Minako Tateno, Jun Kawai, Yoshihide Hayashizaki (Genome Science Laboratory, The Institute of Physical and Chemical Research)

目的)我々は肝癌を好発するトランスジェニックマウスを用いてゲノム上のメチル化の変化を解析し、発癌に関与する遺伝子の検索及び機能解析を行った。方法)SV40T抗原をMUP(murine urinary protein) のプロモーターに接続したトランスジーンを導入したC57BL/6トランスジェニックマウスを作成した。このマウスとMus spretusを交配したF1も肝癌を好発することから、F1に生じた肝癌組織と正常組織を用い、RLGS-M(Restriction Landmark Genome Scannning-methylation)法によりゲノム上のメチル化の変化領域を解析し、30個の癌で共通して変化のみられる領域から転写単位を同定した。結果)30個の癌に高頻度(75%以上)に特異的にメチル化の起こるスポットを14個同定し、そのうち一つの領域の転写単位の解析により、癌抑制に関与していると報告されているmurine mac25遺伝子とhomologyをもつ遺伝子を同定した。現在癌組織でのこの領域のメチル化と発現、およびその機能について解析中である。