ABSTRACT 334(5-12)
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Differential display法によるp53標的遺伝子の同定およびその機能解析:岡村修1,2,呉晶晶1,小山公美子1,三好康雄1,門田守人2,中村祐輔1,3(1阪大・医・バイオセ・臨床遺伝,2阪大・医・二外,3東大・医科研・ヒトゲノムセ・シークエンス解析分野)

Isolation and functional analysis of p53-target genes by differential display method:Shu OKAMURA1,2,Ching C.NG1,Kumiko KOYAMA1,Yasuo MIYOSHI1,Morito MONDEN2,Yusuke NAKAMURA1,3(1Dept.Med.Genet.,Med.Dept.,Biomed.Res.Center,Osaka Univ.,22nd Dept.Surg.,Med.Dept.,Osaka Univ.,3Lab.Mol.Med.,Hum.Genome Center,Inst.Med. Sci.,Tokyo Univ.)

癌抑制遺伝子p53蛋白のさまざまな生理機能はp53によって発現が調節されている標的遺伝子産物を介していると考えられているが、その全貌は依然として明らかでない。今回われわれはdifferential display法(DD法)を用いてp53標的遺伝子の同定および機能解析を試みた。IPTGで誘導されるオペレーターベクターに正常あるいは変異p53を組み込み、リプレッサーベクターと共に正常p53を完全に欠落した大腸癌細胞株(SW480)に導入し、IPTGによるp53の誘導により経時的に発現の変化する遺伝子断片をDD法を用いて単離し、cDNA library screening法にて遺伝子を同定した。その結果、p53により発現が誘導される3種類の遺伝子(ALDH-6, COIおよび新規遺伝子)と抑制される5種類の既知の遺伝子(tyrosine kinase, transferrin receptor, HMG-17, phosphatase, human alpha-tubulin)を同定した。複数の癌細胞株にp53遺伝子を導入してこれらの遺伝子とp53との関わりを検討している。