ABSTRACT 372(7-1)
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末梢血中Neuromedin B receptor mRNA による肺癌患者の流血中癌細胞の検出:
嶌田雅光1、東山聖彦2、日野文嗣1、児玉憲2、高見康二2、加藤郁之進1、中森正二3、門田守人31宝酒造バイオメディカルセンター、2大阪成人セ外、3阪大2外)

Detection of micrometastatic cells in lung cancer by detection of neuromedin B receptor mRNA in peripheral blood : Masamitsu SHIMADA1, Masahiko HIGASHIYAMA2, Humitugu HINO1, Ken KODAMA2, Koji TAKAMI2, Ikunoshin KATO1, Shoji NAKAMORI3, Morito MONDEN3 (1Takara Shuzo Biomedical Center, 2Dept. of Surg., Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovasclar Diseases, 3Dept. of Surg. II, Osaka Univ. Med. Sch.)

[目的]肺癌において高発現が認められるneuromedin B receptor mRNAをターゲットとして、末梢血中のその発現を検出し、流血中肺癌細胞の検出法としての臨床的意義を検討した。[方法]肺癌手術症例18例(Ad 11例、Sq 6例、La 1例)、術後再発症例5例(全例Ad)、健常者正常コントロール群14例を対象として、末梢血より全RNAを抽出し、RT-nested PCR法により neuromedin B receptor mRNAを検出した。[結果]1)正常コントロール群では全例でその発現が検出されなかった。2)肺癌手術症例18例においては6例(33%)にその発現が検出された。病期別にみると、I期が11例中3例(27%)、II・III期が7例中3例(43%)が陽性で、特にリンパ節転移に関してはN(-)が13例中3例(23%)、N(+)が5例中3例(60%)となり、流血中癌細胞検出頻度はリンパ節転移症例で高かった。一方、再発肺癌例では5例中3例(60%)と同様に高い頻度で検出された。[考察]neuromedin B receptor mRNAは正常コントロール群の末梢血では全くその発現が認められないのに対して、肺癌症例の末梢血ではリンパ節転移と相関して発現が認められ、本検出法は肺癌における末梢流血中癌細胞の検出法として臨床的に有用性が期待される。