ABSTRACT 373(7-2)
膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)の浸潤突起への局在機構の解明:森 英俊1,3,木下 健1,伊藤 義文1,中原 寛和2,岡田 明子1,清木 元治1(1東大・医科研・癌細胞、2阪大・歯・一口外、3東大・農 生・応遺)
Investigation of mechanism of Membrane-Type 1 Matrix Metalloprotease(MT1-MMP) localization to invadopodia Hidetoshi MORI1,3,Takeshi KINOSHITA1,Yoshifumi ITOH1,Hirokazu NAKAHARA2,Akiko OKADA1,Motoharu SEIKI1 (1Dept. Cancer Cell Res., Inst. Med. Sci., Univ. of Tokyo, 2 1st. Dept. Oral and Maxillofac. Surg.,Sch. Dent.,Osaka Univ., 3Dept. Appl. Genet., Sch. Agr. and Life Sci., Univ. of Tokyo)
癌細胞が転移する際、プロテアーゼによる細胞外マトリックス(ECM)の分解が必須のステップである。癌細胞のECMへの浸潤過程は、実験的にフィブロネクチン分解浸潤モデルにより解析することができる。具体的には、ゼラチンコートしたカバーガラス上にFITC標識したフィブロネクチンを結合させ、その上で浸潤能を有する細胞を培養すると、標識していたフィブロネクチンの分解された領域が蛍光顕微鏡によりFITCの消失した部分として観察できる。中原らはこのフィブロネクチン分解浸潤モデルを用いて膜型マトリックスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)が、膜貫通及び細胞質(TM/CP)ドメイン依存的に浸潤突起へ局在することを示した。このことから我々は、MT1-MMPのTM/CPドメインが浸潤突起への局在を制御する機能を有すると考え Green Fluorescence Protein (GFP)とTM/CPドメインのキメラをヒトメラノーマ細胞株RPMI7951、ヒト線維肉腫細胞株HT-1080に発現させ、そのタンパクの浸潤突起への輸送とMT1-MMPの細胞質ドメインのアミノ酸配列との関係について検討したのでその結果を報告する。