ABSTRACT 375(7-2)
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Epstein-Barr ウイルスLMP1によるMMP9発現の誘導:吉崎智一1、佐藤博、古川仭1金沢大・医・耳、2金沢大・がん研)

Epstein-Barr virus LMP1 induces expression of MMP9 : Tomokazu YOSHIZAKI1, Hiroshi SATO2, Mitsuru FURUKAWA1 (1Dept. of Otolaryngol., SOM, Kanazawa Univ., 2Cancer Res. Inst. Kanazawa Univ.)

(目的)これまでに、我々は上咽頭癌においてEpstein-Barr ウイルス(EBV)癌遺伝子LMP1陽性症例に頚部リンパ節転移頻度が有意に高いことを見いだした。 本研究ではLMP1による転移促進のメカニズム解明の第一歩としてゼラチナーゼ誘導能について検討した。
(方法と結果)各種バーキットリンパ腫細胞株におけるLMP1タンパク発現をウエスタンブロットでMMP2、MMP9タンパク発現をゼラチンザイモグラフィーで検討したところLMP1とMMP9の発現に相関を認めた。上皮系細胞c33にLMP1発現プラスミドを形質導入したところ、MMP9が誘導された。ゲルシフトおよびCAT アッセイを用いた解析から、LMP1はNF-kB およびAP1シグナル伝達経路を活性化し、MMP9プロモーターからの転写を活性化することが判明した。
(結論)LMP1は細胞を形質転換する癌遺伝子として同定された。今回の結果からLMP1はEBV関連腫瘍の転移機構にも関与することが示唆された。