ABSTRACT 383(7-2)
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卵巣腫瘍嚢胞液中のMMP9,MMP2とTIMP1,TIMP2 に関する 検討:古屋充子,石倉 浩,川原田 陽,吉木 敬 (北大第一病理)

Matrix metalloproteinases and their tissue inhibitors in ovarian cystic fluids:Mitsuko FURUYA,Hiroshi ISHIKURA,You KAWARADA,Takashi YOSHIKI(Dept. of Pathol.,Hokkaido Univ.)

[目的]今回我々は、卵巣腫瘍嚢胞液中に分泌されるMMPsおよびTIMPsの発現と組織型や良性・悪性との相関を検討した。
[方法]種々の上皮性卵巣腫瘍嚢胞液の遠心上清を2〜40倍に希釈しゼラチンザイモグラフィーを施行した。またELISAにて各嚢胞液中のMMP9, MMP2, TIMP1, TIMP2の濃度を測定した。
[成績]粘液性嚢胞液のMMP9,TIMP1濃度は漿液性嚢胞液に比較して多い傾向が認められた。MMP2濃度は漿液性嚢胞液が粘液性嚢胞液より高い傾向が認められた。また、粘液性嚢胞液において悪性化と活性化MMP2の発現との間に有意な相関が認められた。TIMP2濃度は粘液性嚢胞液において悪性度との相関がみられた。悪性では良性や機能性嚢胞液に比してMMP9/MMP2高値、TIMP1/MMP9低値の傾向が認められた。
[結論]卵巣上皮性腫瘍嚢胞液においてMMPs, TIMPsの分泌は腫瘍の組織型や悪性度を規定する因子である可能性が示唆された。