ABSTRACT 405(7-4)
ヒトメラノーマの原発巣浸潤レベルとマクロファージの作用と血管新生:鳥巣仁枝1,小野真弓1,川原尚之1,桐生美麿2,古江増隆3,中山樹一郎4,桑野信彦1(1九大・医・生化,2北九州医療セ・皮膚,3九大・医・皮膚,4福大・医・皮膚)
Association of macrophage infiltration with malignant states and angiogenesis in human malignant melanomas.: Hitoe TORISU1, Mayumi ONO1, Naoyuki KAWAHARA1, Hiromaro KIRYU2, Masutaka FURUE3, Juichiro NAKAYAMA4, Michihiko KUWANO1 (1Dep. Biochem., Kyushu. Univ. Sch. Med.,2Dermatol. Div., Kitakyushu Municipal Medical Center. 3Dep. Dermatol.,Kyushu. Univ. Sch. Med. 4Dep. Dermatol., Fukuoka. Univ. Sch. Med.)
【目的】腫瘍の増殖・浸潤には腫瘍と間質の相互作用が重要と考えられる。今回我々は特にマクロファージの役割に注目した。マクロファージの浸潤と血管数の増加がヒトメラノーマの浸潤レベルに相関しているかについて検討した結果を報告する。【方法・結果】(1) メラノーマ37症例に対しCD68とvon Willebrand factorで免疫染色を行った。メラノーマの浸潤レベルが増すにつれて,マクロファージ数と血管数の増加が認められた。(2)メラノーマの細胞株の血管新生因子の発現について検討した。細胞株間で発現に差が認められ,さらにマクロファージより放出される因子で刺激したところ血管新生因子の発現に変化を認めた。(3) メラノーマの血管新生因子高発現株とヒト血管内皮細胞との共培養でin vitroの管腔形成が誘導された。以上の結果から,メラノーマの増殖・浸潤には腫瘍と間質の相互作用が重要と考えられる。