一般演題

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Transdominant mutant ets-1遺伝子導入による血管新生の抑制：中野徹^{1, 2}、田中克宏¹、安部まゆみ¹、標葉隆三郎²、里見進²、佐藤靖史¹（¹東北大・加齢研・腫瘍循環、²東北大・二外）

Transdominant mutant ets-1 inhibits angiogenesis: Toru NAKANO^1,2, Katsuhiro TANAKA¹, Mayumi ABE¹, Ryuzaburo SHINEHA²,Susumu SATOMI²,Yasufumi SATO¹ (¹Dept.Vasc. Biol.IDAC.Tohoku Univ., ²2nd Dept.Surgery Tohoku Univ.)

＜目的＞我々は転写因子ets-1が内皮細胞のMMP1,3,9やintegrinβ3の発現を介して血管新生を調節していることを明らかにしている。そこでets-1の機能を抑制することによって血管新生を阻害することを試みた。＜方法＞ets-1のDNA結合domainのみを持ち、遺伝子の転写活性能を持たないTransdominant mutant ets-1のcDNAを作成し、マウス由来血管内皮細胞株(MSS31)にelectroporation法で導入した。intact　ETS-1の機能阻害効果をgel shift 法と、MMP1のpromoterを用いたCAT assayで評価した。さらに内皮細胞の血管新生因子（bFGF）に対する反応性をmatrigel invasion chamberでの細胞浸潤能、及びtype1 collagen gelでの管腔形成能で評価した。＜結果＞ Transdominant mutant　ets-1はDNA結合能が高く、ETS-1の転写因子としての働きを競合阻害した。 Transdominant mutant ets-1遺伝子を血管内皮細胞株に導入することによって、bFGFに対する浸潤能、及び管腔形成能は著明に抑制された。＜考察＞sets-1の機能を抑制することによって、血管新生を制御し得ることが明らかとなった。 Transdominant mutant　ets-1を用いた遺伝子治療への応用の可能性が示唆された。