ABSTRACT 413(7-5)
COX-2発現抑制と大腸癌肝転移に関する実験的検討:
立松秀樹、渡邊昌彦、 久保田哲朗、小林直之、徳原秀典、寺本龍生、北島政樹(慶大・医外)
Effect of COX-2 inhibition on liver metastasis in colorectal cancer: Hideki TATEMATSU, Masahiko WATANABE, Tetsuro KUBOTA, Naoyuki KOBAYASHI, Hidenori TOKUHARA, Tatsuo TERAMOTO, Masaki KITAJIMA (Dept. of Surgery, Keio University)
【目的】近年、COX-2の細胞間接着因子やアポトーシスへの影響明らかとなり、PGE2 (COX-2により合成)と癌の発生や増殖との関連性が注目されている。われわれはCOX-2発現と大腸癌肝転移との関連性の解明とCOX-2阻害薬 の肝転移予防薬としての可能性について検討した。【材料】(1)ヒト大腸癌株(高肝転移株:HT29、WiDr-M (WiDrから樹立)、SW1116、 NCC-CO33、低・非肝転移株:WiDr、HCT15、 C-1、COLO201、COLO205) (2)SCIDマウス【方法】(1)RT-PCR法でCOX-2 mRNA発現を検討した。(2)(1)HT29で同所性肝転移モデルを作成しアスピリンを7週間連日i.pし肝転移を評価した。(2)HT29を脾注(1x106ヶ)し、COX-2選択的阻害薬(JTE-522 )混餌群と対照群とで6週間後に肝転移を評価した。【結果】(1) 高肝転移株は低・非肝転移株に比しCOX-2発現が高率であった。(2)アスピリン投与群、JTE-522混餌群で肝転移が抑制された。【結語】COX-2発現と肝転移は関連し発現抑制が転移を予防する可能性が示された。