一般演題

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担癌マウス血清中抗体により検出されるマウス線維肉腫株CMS5由来抗原の同定：池田裕明¹、古川圭子²、渡辺正人¹、ミヒャエル シュミット¹、生田安司¹、伊藤基博¹、日代山桂津代¹、小畑英慎³、珠玖洋¹ （三重大・医・¹２内、³婦、名大・医・²生化）

Identification of antigens of mouse fibrosarcoma CMS5 recognized by antibodies in tumor bearing mouse serum : Hiroaki IKEDA¹, Keiko FURUKAWA², Masato WATANABE¹, Michael SCHMITT¹, Yasushi IKUTA¹, Motohiro ITO¹, Kazuyo HIYOYAMA¹, Hidenori OBATA⁴, Hiroshi SHIKU¹ ( ¹2nd Dept of Int. Med., ³Gyn., Mie Univ. Sch. Med., ²Dept of Biochem., Nagoya Univ. Sch. Med. )

ウイルス発癌腫瘍が誘発ウイルスに共通の抗原性を認める事に対して、化学発癌剤誘発マウス肉腫の腫瘍拒絶の特徴は腫瘍特異的固有抗原を有する事である。我々はexpression cloning法を用いて、メチルコラントレン誘発BALB/cマウス由来肉腫CMS5特異的なCTL clone C18は変異型MAPキナーゼERK2を認識することを明かにし、H-2K^dに提示されるエピトープペプチドが腫瘍拒絶抗原であることを示してきた。
一方、B cell, CD4+Tcellにより認識されるマウス線維肉種由来抗原は不明のままである。我々はこれらの抗原を同定する目的で、分子生物学的手法を取り入れ近年開発された血清学的方法(SEREX法)を用いてCMS5λphage cDNA expression libraryの解析を行った。CMS5担癌マウスの血清中のIgGクラス抗体との反応性より、現在までに約60,000クローンをスクリーニングし６種の遺伝子(既知の遺伝子２種、human homologueの報告がある遺伝子２種、未知の遺伝子２種)に由来する９個の陽性クローンを同定した。これらの遺伝子産物に対する抗体は担癌２週目より出現し担癌４週目にかけて抗体価の上昇を示した。又これらの遺伝子産物は全て正常マウス血清、同系線維肉種CMS7担癌マウス血清とは反応しなかった。