ABSTRACT 423(8-1)
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乳癌における癌拒絶抗原SART-1の発現:
七條茂樹1,今井康久1,古賀稔啓2,中尾真修3,伊東恭悟1,31久留米大・医・免疫,2同・外,3同・先端癌治療研究センターがんワクチン部門)

Expression of the SART-1 tumor-rejection antigen in breast cancers : Shigeki SHICHIJO1, Yasuhisa IMAI1, Toshihiro KOGA2, Masanobu NAKAO3, and Kyogo ITOH1,3 (1Dep. of Immunol., Kurume Univ. School of Med., 2Dep. of Sug., 3Cancer Vaccine Div. of Kurume Univ. Res. Center for Innovative Cancer Therapy)

[目的]癌特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が認識する抗原ペプチドをコードする SART-1 遺伝子および遺伝子産物の発現を乳癌で調べた。
[方法]遺伝子の発現はRT-PCR で、抗原蛋白の発現はウエスタンブロットで調べた。また、CTLによる認識の有無は IFNγ の産生を指標に判定した。
[実験成績]乳癌細胞株の全て、癌組織の40% (20/50例)で SART-1800 が検出された。癌抗原ペプチドの主供給源と考えられる SART-1259 は検出されなかったが、特異的CTLによってHLA拘束性に認識される事がHLA遺伝子の導入実験により示唆された。
[考察・結論]SART-1800 は増殖細胞に発現している事から、肺癌や食道癌の組織で高頻度に検出さたが、乳癌では40%でのみ検出された。SART-1259 が検出されない細胞株でも、SART-1800 陽性の場合は、拘束性のHLA-A2402 遺伝子を導入すると SART-1 特異的 CTL によって認識されたことから、ワクチン療法の候補になる可能性が示唆された。