ABSTRACT 424(8-1)
扁平上皮癌由来癌拒絶抗原遺伝子SART-1の生物学的機能解析:今井康久1、七條茂樹1、片山貴文1、笹富輝男1、原田健司1、山名秀明2、伊東恭悟1(久留米大・医・免疫1・外科2)
The biological function of tumor rejection antigen identified from squamous cell carcinoma, SART-1. ; 1Yasuhisa IMAI, 1Shigeki SHICHIJO, 1Takafumi KATAYAMA, 1Teruo SASATOMI, 1Kenji HARADA, 2Hideaki YAMANA, 1Kyogo ITOH (1Dept. of Immunol., 2Surg. Kurume Univ. Sch. Med.)
【目的】我々は新規の扁平上皮癌由来癌拒絶抗原遺伝子SART-1の分子生物学的機能を解明する目的で分子生物学的手法にて検討した。【方法】発現ベクターに組み込んだSART-1をCos7, VA13, TE9 etcの細胞株に遺伝子導入し、その局在、発現時期、形態変化、分化、細胞周期関連蛋白の変化等をWestern blot等で検討した。【結果】SART-1蛋白はG2/M期に主に発現する周期依存性核内タンパクであり、その遺伝子導入によりMPF (mitosis promoting factor)の発現と、p53の質的変化に伴う分化、及びアポトーシスの誘導がみられた。また逆のMPFの遺伝子導入によるSART-1蛋白の変化は見られなかった。この生物活性は、p53変異細胞株やSART-1259 陽性細胞株では見られなかった。【考察】SART-1は、癌における新規のMPFの制御因子であり、この生物活性はp53の変異、不活化とSART-1259 の有無に関連している可能性が示唆された。