ABSTRACT 426(8-1)
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HLA-A24拘束性MAGE-1ペプチドの同定: 田原光一郎1,藤江達郎1,定永倫明1,田中文明1,長嶋秀樹1,竹迫一任3,秋吉 毅2,森  正樹11九大生医研・外,2九州中央病院 ,3宝酒造バイオ研究所)

Identification of a HLA-A24-restricted MAGE-1-encoded synthetic peptide:Kouichirou TAHARA1,Tatsuo FUJIE1,Noriaki SADANAGA1,Fumiaki TANAKA1,Hideki NAGASHIMA1, Kazutoh TAKESAKO3,Tsuyoshi AKIYOSHI2,Masaki MORI1(1Dept. of Surg.,Med. Inst. of Bioregulation, Kyusyysyg.,Med. Inst. of Bioregulation, Kyusyu Univ.,2Kyusyu Ctr. Hosp.,3 Biotechnology Res.Lab., Takara Shuzo Co.)

(目的)MAGE-1遺伝子は悪性腫瘍に比較的高率に発現されているが、日本人に最も多いHLA-A24 に拘束されるMAGE-1ペプチドの報告はない。我々はHLA-A24拘束性MAGE-1特異的CTLの誘導を試み、MAGE-1ペプチドの同定を行った。(方法)MAGE-1遺伝子産物のアミノ酸配列よりHLA-A24のbinding motifをもつペプチドを合成しbinding affinityの高いほうから5つのペプチドを選択した。HLA-A24の健常人のPBMCにペプチドをパルスし、IL-7とKLH存在下で培養を開始、1週間ごとに4回のペプチド刺激を繰り返しCTL活性をCr. release法にて測定した。(結果)最もbinding affinityの高いペプチド (NYKHCFPEI) において最も高いペプチド特異性を得た。このCTLはHLA-A24でMAGE-1を発現している細胞株NUGC-3、TE-11に対してもCTL活性を示し、抗HLAクラスI抗体によって抑制され、MAGE-1を発現していないRaji、HLA-A24陰性のKATO-IIIに対してはCTL活性を示さなかった。(結論)今回誘導されたCTLはHLA-A24拘束性MAGE-1特異的であると考えられ、MAGE-1/HLA-A24ペプチドとしてNYKHCFPEIを同定した。このペプチドによりMAGE-1陽性癌患者に対する特異的免疫療法の対象者がさらに広がるものと期待される。