ABSTRACT 432(8-1)
 一般演題一覧 トップ 


HLA-A1とHLA-A3に提示されるメラノーマ抗原tyrosinaseとgp100のT細胞エピトープの同定:河上 裕 (慶大・医・先端研・細胞情報)

Identification of T cell epitopes in melanoma antigens tyrosinase and gp100 presented by HLA-A1 or -A3 : Yutaka KAWAKAMI (Div. of Cellular Signaling, Inst.Adv. Med. Res. Keio Univ. Sch. of Med.)

ペプチドを用いる免疫療法を多くの患者に行うためには種々のHLAに提示されるT細胞エピトープを同定する必要がある。腫瘍浸潤Tリンパ球からHLA-A1 あるいはHLA-A3拘束性で共通メラノーマ抗原を認識する2種類のT細胞を樹立した。SKmel23メラノーマ細胞株から作製したcDNAライブラリーをCOS細胞にHLA-A1かHLA-A3 cDNAとともに導入し、それに対する樹立T細胞の反応をIFN-γアッセイでスクリーニングすることにより、抗原をコードするcDNAとしてメラノソーム蛋白tyrosinase とgp100のcDNA断片が単離された。次に各種長さの断片に対するT細胞の反応を調べエピトープの存在位置を推定し、その範囲においてHLA-A1 およびHLA-A3結合モチーフを用いてエピトープ候補ペプチドを推定した。候補合成ペプチドに対するT細胞の反応を検討し、11mer tyrosinase ペプチドと9mer gp100ペプチドがT細胞エピトープであることが示唆された。これらはメラノーマの免疫療法に使用できる可能性がある。