ABSTRACT 457(8-4)
 一般演題一覧 トップ 


IL-18のマウス投与による脾臓細胞からのIL-10の産生誘導とNK細胞活性化に対するIL-10との相乗作用:マーク・ミカレフ、谷本忠雄、河野恵三、池田雅夫、池上伯郎、栗本雅司(林原生物化学研究所・藤崎研究所)

IL-18 induces IL-10 production by mouse spleen cells and act synergistically with IL-10 for NK cell activity:Mark MICALLEF, Tadao TANIMOTO, Keizo KOHNO, Masao IKEDA, Hakuo IKEGAMI, Masashi KURIMOTO (Fujisaki Institute, Hayashibara Biochemical Labs. Inc.)

【目的】IL-18は抗腫瘍作用を発揮するサイトカインである。今回我々は、このIL-18による抗腫瘍作用に関与するサイトカインネットワークについて解析したので報告する。 【方法】(1)BALB/cマウスに1μgのIL-18をDay0とDay3の2回ip投与した。6日目に脾臓を摘出し、脾臓細胞を各サブセットに分離または精製し、24時間培養後上清中のIL-10活性をELISAによって測定した。(2)FACSによって脾臓細胞中のIL-10の産生細胞の同定を試みた。(3)in vitroで脾臓細胞にIL-18、IL-10或いは両者を添加してNK活性の増強をYac-1細胞を指標にして調べた。(4)IL-18によるMeth Aに対する抗腫瘍作用にIL-10が関与するか否かについて、IL-10に対する中和抗体をMeth A移植後1日目と3日目の2回投与して調べた。【結果】マウスにIL-18を投与すると、その脾臓細胞から高濃度のIL-10が産生された。FACS解析の結果、IL-10の産生細胞は主としてCD8陽性T細胞から成ることがわかった。in vitroでは、IL-18はIL-10と相乗的に作用し、NK活性を増強することがわかった。しかしながらIL-10に対する中和抗体の投与試験では、実験に用いた濃度ではIL-18の抗腫瘍作用は抑制されなかった。