ABSTRACT 460(8-4)
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担癌状態および加齢がTh1/2バランスにおよぼす影響:吉野茂文、硲 彰一、田畑智之、岡 正朗(山口大2外)

The influence of cancer and aging on Th1/2 balance on peripheral blood lymphocyte:ShigefumiYOSHINO,
Shoichi HAZAMA,Tomoyuki TABATA, Masaaki OKA
(Dept. of Surg.II. Yamaguchi Univ.)

【目的】担癌状態および加齢が末梢血リンパ球のTh1/2バランスにおよぼす影響につき検討した。【方法】若年健常者31例(32〜69歳)、高齢健常者12例(74〜92歳)、癌患者50例(45〜88歳)を対象とし末梢血を採取、CD4陽性細胞中の細胞内サイトカインの解析を行った。すなわち、全血にBrefeldin Aを添加し4時間培養した後、リンパ球をECD標識抗CD4抗体にて染色し Permeabilizing Solutionを加え、蛍光標識された抗IFN-γ、抗IL-4、抗IL-6、抗IL-10抗体を添加し、フローサイトメトリーによりCD4陽性細胞中の各サイトカイン陽性リンパ球(IFN-γ細胞、IL-4細胞、IL-6細胞、IL-10細胞)の比率を測定した。【結果】若年健常者、高齢健常者および癌患者における末梢血IFN-γ細胞の比率はそれぞれ33.2±3.0、27.1±3.7、29.3±2.3%と各群間に差はなかったが、IL-4細胞の比率は35.3±2.1、58.7±6.1、73.9±1.8%、IL-6細胞の比率は36.8±2.0、54.6±5.8、73.0±2.3%、IL-10細胞の比率は34.3±2.6、41.5±4.8、58.0±3.0%であり、IL-4細胞、IL-6+ 細胞、IL-10+細胞ともに若年健常者、高齢健常者、癌患者の順にその比率が高値を示した。【考察】癌患者では末梢血のIL-4細胞、IL-6+細胞、IL-10細胞の比率が高く、末梢血リンパ球のTh1/Th2バランスが崩れ Th2 優位となっていた。また若年健常者に比べ高齢健常者でも同様の傾向がみられ、高齢者での発癌傾向への関与が示唆された。