ABSTRACT 463(8-4)
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癌患者末梢血単核球からの活性化Dendritic cellの誘導:角田卓也、谷村 弘、山上裕機、田中 一、松田健司、岩橋 誠、庄野嘉治、溝端静馬(和歌山医大・第2外科)

Induction of the activated dendritic cell from peripheral mononuclear cells of cancer patients:Takuya TSUNODA, Hiroshi TANIMURA, Hiroki YAMAUE, Hajime TANAKA, Kenji MATSUDA, Makoto IWAHASHI, Yoshiharu SHONO, Shizuma MIZOBATA (Second Dept. of Surgery, Wakayama Medical School)

【目的】癌免疫療法や遺伝子療法においてDendritic cell (DC)がそのprofessional APC機能から注目されている。免疫抑制状態にある癌患者の末梢血単核球(PBMC)から活性化DCが誘導しうるかを検討した。
【方法】癌患者末梢血20mlよりPBMCを分離し、1.5時間静置後non-adherentを除去しadherent cellにIL-4(2,000 U/ml)+GM-CSF(1,000 U/ml)を添加し7日間培養した細胞をDCとして,細胞形態、細胞表面抗原(Class I,Class II, CD3, CD14, CD80, CD86)、Flu peptideおよびCEA由来 peptideを用いてCTL誘導能を解析した。
【結果】癌患者PBMCから誘導したDCは、形態学的に健常人PBMCから誘導したDCとほぼ同様であり、7日目の細胞表面抗原の解析でもClass IIの高発現、CD80およびCD86の高発現を認め、健常人由来DCと差はなかった。さらに、癌患者由来DCをpeptideを用いたCTL誘導能から機能的に解析すると、強い細胞障害活性を有するCTLが誘導できた。
【結語】癌患者でもprofessional APC機能を有する活性化DCが誘導できることが証明でき、癌免疫・遺伝子療法の新たなtoolとなることが示唆された。