ABSTRACT 467(8-4)
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NKT活性化グリコシルセラミド(KRN7000)による免疫賦活化機構の解明:北村秀光1,2, 太田明夫1, 松木直人1, 八幡 崇 1,3, 岩壁堅治1,3, 大見 寧1, 垣生園子3, 西村孝司1,3, (1東海大・医・遺伝子工学, 2北大院・理・生体設計, 3東海大・医・免疫)

Immunopotentiating mechanisms induced by NKT-activating glycosylceramide, KRN 7000: Hidemitsu KITAMURA1,2, Akio OHTA1, Naoto MATSUKI1, Takashi YAHATA1,3, Kenji IWAKABE1,3, Yasushi OHMI1, Sonoko HABU1, Takashi NISHIMURA1 (1Dept. Genetic Engineering, Tokai Univ. Sch. Med., 2Div. Biol. Sci., Grad. Sch. Sci., Hokkaido Univ., 3Dept. Immunol., Tokai Univ. Sch. Med.)

[目的]海綿より抽出されたグリコシルセラミド(KRN7000)はCD1d分子に提示され、NKT細胞のターゲット分子になることが最近明らかにされた。しかし、そのin vivo免疫活性化機構には不明の点が多く残されている。我々は、今回、KRN7000によるin vivoサイトカインネットワークならびに各種免疫担当細胞に対する効果を検討し、興味ある知見を得たので報告する。
[方法および結果] C57BL/6マウスにKRN7000を2μg/mouse 投与することにより血中IFN-γの増強と共に、NKの活性化が認められた。このIFN-γを中心とした免疫賦活機構を明確にするために、KRN7000のIL-12応答性に対する効果を検討した。KRN7000(200 ng/mouse)投与後、6時間後にIL-12(200 U/mouse)を投与した。24時間後、KRN7000あるいはIL-12の単独投与では若干のIFN-γしか誘導できなかったが、両者を併用投与することで相乗効果が認められ、著しい血中IFN-γの産生増強が誘導された。またKRN7000投与後のIL-12レセプター発現を調べたところ、IL-12R β1及びβ2が誘導されることが確認された。In vitroにおける解析では、NKT細胞が主なKRN7000反応性の細胞であったが、in vivoにおいては、NKT細胞の他、CD4+、CD8+T細胞およびB細胞、さらにマクロファージも活性化されることが証明された。従ってKRN7000がNKT細胞以外の免疫担当細胞にも影響をおよぼしえる可能性があり、現在さらにその活性化機構について追及中である。