ABSTRACT 481(9-2)
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脳腫瘍組織におけるONO-4007のTNF-α産生の検討 1貞友 隆、杉山一彦、原田薫雄、栗栖 薫、2磯部尚幸、3松本範人、佐々木勇太郎 (1広島大・医・脳外、2三次中央病、3小野薬(株))

Evaluation of TNF-a production by ONO-4007 in brain tumor tissue : Takashi SADATOMO, Kazuhiko SUGIYAMA, Kunyu HARADA, Kaoru KURISU, Naoyuki ISOBE, Norihito MATSUMOTO, Yutaro SASAKI ( 1 Dept. of Neurosurg. Hiroshima Univ. 2 Miyoshi Central Hosp. 3 Ono Pharmasutical Co. Ltd.)

(目的)ONO-4007はlipid A誘導体であり、我々はこれまでにラットグリオ−マ皮下移植モデルにおいて抗腫瘍効果を示すことを明らかにしている。また抗腫瘍性の機序の一つとして腫瘍組織内での高いTNF産生が示唆されている。今回我々はひと脳腫瘍組織においてONO-4007投与によるTNF-α産生能について検討した。(方法)各種脳腫瘍症例15例(glioblastoma 5例, medulloblastoma 1例, ependymoma 2例, malignant melanoma 1例, meningioma 2例, pituitary adenoma 4例)の手術組織を細切、付着細胞を5×106個96穴plateにplating, 24時間後にONO-4007を0, 30,100,300mg/mlの濃度になるよう投与し6時間後の培養上清中のTNF-a濃度をELISAで測定し検討した。(結果)Meningioma, pituitary adenoma, ependymoma, medulloblastoma, malignant melanomaではONO-4007非投与群での上清中TNF-αはいずれも5.8pg/ml以下でありONO-4007投与にてもTNF-αの上昇は認められなかった。Glioblastoma 5症例のONO-4007非投与群においては上清中TNF-αはいずれも0.7-20pg/mlでありONO-4007 300μg/ml投与にて3例で21.6-86.9pg/mlと上昇が認められた。(結論)ONO-4007はglioblastomaにおいてTNF-αの産生を介して抗腫瘍効果を呈する可能性が示唆された。