一般演題

一覧　トップ

ヒト子宮内膜癌に対するアロマターゼ阻害剤の効果の検討-３次元培養法を用いた検索- ；伊藤潔¹, 鈴木貴², 笹野公伸², 吉浜誠³, 中村純二³, 今井栄一³, 宇都宮裕貴¹, 佐籐信二¹, 矢嶋聰¹ (¹東北大・医・産婦、²東北大・医・病理、³雪印生科研）　

Analysis of effects of aromatase inhibitors in human endometrial carcinoma using hitoculture： Kiyohsi Ito¹, Takashi Suzuki ², Hironobu Sasano², Makoto Yoshihama³, Junji Nakamura³, Eiichi Imai³, Hiroki UTSUNOMIYA¹, Shinnji Sato¹, Akira Yajima¹ (Depts of ¹Ob&Gyn and ² Pathol., Tohoku Univ. Sch.Med. , ³Res.Inst.Life Sci. Snow Brand Milk Prod.)

（目的）子宮内膜癌はエストロゲン(E)依存性腫瘍であり、腫瘍内アロマターゼ(arom)により局所で Eが産生されている。そこで我々は子宮内膜癌におけるarom阻害剤の有効性を手術検体の３次元培養標本を用いて検索した。(方法）子宮内膜癌標本22例をコラーゲンゲル上で培養し、阻害剤の効果をaromの基質であるテストステロン(T)の存在下、非存在下でKi67の発現、³H-thymidineの取り込みで評価した。（結果-考察)　培養可能な15例中4例でT(10^-6M)存在下での増殖が非存在下に比べて有意に促進された。又これら4例中2例ではaromの発現が免疫組織化学的にも認められた。　そしてarom阻害剤であるNKS01を加えるとこのT投与による増殖促進作用は有意に抑制された。以上よりヒト子宮内膜癌においても局所でのaromによるE産生により腫瘍細胞が増殖し、arom阻害剤による治療効果が得られる事が考えられた。